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朝比奈あすかさんは群像新人文学賞を受賞して小説家デビューしましたが、純文学の枠にはまりきらない活躍を続けてきました。いつも現実社会の動きの中にテーマを見つけている作家であるといえるかもしれません。この「人間タワー」で描かれる組体操は小学校の運動会の花形であり、その危険性がマスコミを一時騒がせたことは記憶に新しいです。親、子供、教師などの複数の視点から幾何学のように描かれていますが、この人間タワーをめぐる動き、思いを描くことで、世界のあり方まで筆がおよぶのが朝比奈さんという作家の鋭敏さではないでしょうか。人間の負の面や不穏な空気を扱いながらも、いつも爽快さを失わないところがこの小説の稀有の魅力でしょう。
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