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日本が直面する高齢社会。 それは介護問題以上に高齢者の生き方の質が問われる社会であり、心身機能の衰えとともに、社会の関心も失われていくであろう高齢者の性の問題は、重要な課題である。
いまなお醜悪なものとして抑圧を強いられる高齢者の性欲望は、誤解や偏見も強いが人生の終末期にある高齢者の生きがいと直結する問題であるが、そのリアルな情報はなかなか得にくい……。
第一章は「文学作品に見る高齢者の性」をテーマに川端康成、谷崎潤一郎、有吉佐和子、瀬戸内晴美、松本清張、伊東正、遠藤周作、円地文子の作品を取り上げる。高齢の主人公が自己の性と生をどのように生きたかを、作品論ではなく老いた主人公の性愛行動による自己実現に対して周囲の対応を考察し、日本文学作品に現れた性愛行動にまつわる資料をもとに、老いと性のあり方、社会的偏見にかかわる問題について検討する。
第二章では明治期の感化事業(児童自立支援事業)の先達を紹介し、増大する社会福祉需要において福祉理念や援助技術、倫理の育成と新しい福祉思想の定着を目指す。
第三章では良寛について清貧思想だけでなく、人間性を精神病跡学的手法で探り、生き方のあいまい性、生真面目さ、自然と一体の生き方・思想などから見失われた日本人の原型を考える。
本書は長らく臨床心理学、社会福祉に携わってきた著者の主要論文からその功績をまとめた1冊。
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