浮上

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出版社
ふらんす堂
著者名
野崎海芋
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2017年9月
判型
四六判
ISBN
9784781410036

◆第一句集

海芋俳句の特徴とは何か。まず、生命そのものと向き合い、捉えようとしている句があることだ。



シロナガスクヂラの浮上轟ける



この句において、鯨と作者とが一体になっているのを感じる。鯨が海芋なのである。鯨を詠むことで、生きているということの手応えを、生きているということの歓びを、たしかに書きとめていると思うのだ。

(序より・小澤實)



◆自選十句

パンチングボール叩けば戻る夏が来た

シロナガスクヂラの浮上轟ける

蛍羽化蛹をひかりはなれける

尾根に佇つわれに夏雲ちぎれ来ぬ

潜望鏡上げよさくらの夜なれば

脱ぎ捨ての水着表も裏も砂

方位磁針ぺかぺか揺れぬ枯野指し

宇宙ごみ宇宙をただよへる寒さ

ヘッドロックかけられ君の汗にほふ

コスモスの叢SLの終点は

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