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印刷本の誕生は西欧世界をどう変えたか
本とは手書き写本であったヨーロッパで、15世紀半ばに印刷本が生まれた時、社会はどう変わっていったのか。本書は印刷術の誕生から発展・定着にいたる200年あまりの歴史を、具体的な数字やエピソード満載で描く。斬新な初期近代メディア文化史であると同時に、政治・文学・科学・芸術・経済を重層的にとらえることができる1冊である。
そこでは、ひと握りの成功者から、落ちぶれて破産し、また異端として告発された者まで、本に命を賭けた人々の人生劇が繰り広げられる。一方で、16世紀初頭と末との学者の蔵書数の変遷を分析するかと思えば、書籍の流通・販売経路を再構成してみせる章もあり、さらに著者と印刷業者との駆け引き・禁書や出版権をめぐる当局との攻防など、当時の本がどのように生まれ消費されていったかを、詳細に知ることができる。印刷本はコルテスやピサロの軍の蛮行に影響を与え、また印刷本だからこそなしえた科学への貢献があった。
エラスムスの名著から政治・宗教関係のビラやパンフレット、贖宥状のような紙片まで、当時最新の医学書からいかがわしい治療法に関するハウツー本までが織りなす、めくるめく書物と印刷の興亡史。
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