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真宗大谷派2015年夏安居における講義の書籍化。
他力信心の獲得によってもたらされる、凡夫のままで本願の真実に生きるという、宗教世界の内実を具体的に明らかにし、他力念仏の教えに対して広く持たれている「死後に救われる教え」という誤解を、徹底的に払拭する。
真宗大谷派の教学研究を牽引してきた著者が、親鸞が説いた他力信心の真実の意義を現代に蘇らせる待望の論考!
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「親鸞聖人にとっての正定聚とは、選択本願が衆生に呼びかけて、たとい愚かな凡夫であろうとも仏道の正機となることができる道があることの確認であった。しかし、その正定聚は、経典の文字の表層から見るなら、明らかに第十一願、必至滅度の願の成就として、「かの国に生まるれば、皆ことごとく正定の聚に住す(生彼国者皆悉住於正定之聚)」と語られるのであるから、彼土の利益として語られているのである。それを親鸞聖人は、「生彼国者」には「かの国に生まれんとするものは」(『一念多念文意』)という意味が、教主世尊の意図にあるといわれ、願生の位、すなわち現生において獲得できる位であるとされた。それは親鸞聖人自身に、本願に帰して獲得した信念の明証があったからに違いない。それ故にこそ、本願成就の信心の事実が、正定聚であると教えられているのだといい得たのであろうと信ずる」(本文より)
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