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◆第四句集
平成二十年より二十九年までの作品の中から三百余句を収録。
句集名の「燕京」は北京の異称。平成二十三年の四月から一年間、交換研究員として北京大学構内の勺園五号楼という宿舎で暮らした。小さな子どもがいたため、旅には出ず、妻子とともに大学構内でひっそりと過ごした。その一年間の生活が、この期間ではもっとも強く記憶に残っている。
(あとがきより)
◆自選一五句
新しき鯉を入れたる雪解水
そのかみの燕の都のすみれかな
蝌蚪の押す木片やがて廻りだす
長征の途中に虹を詠じけり
学校のしづかに螢袋かな
噴水は遠き花壇を濡らしけり
道端に売る冬瓜やきのふより
ゆるやかに踊る山河のやさしさに
獣骨を磨きて虫の籠とせる
粉々の落葉の道のありにけり
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