14人の専門家が描きだす子どもの世界
「子ども」とは何らかの客観的な定義を持つ存在なのだろうか。つまり、医学的、生理学的、心理学的に、かくかくしかじかという存在であるという定義を持つ存在なのだろうか。本書を通して貫かれているのは、「子ども」とはこのような定義は不可能で、文化や歴史にこそ帰属する概念であり、おそらく時代と共に変化する概念である、という考えである。また、「子ども」が無垢な存在で、大人が無垢さを失った存在であるという、大人と子どもを二項対立でとらえる論理からもほど遠い。子どもは大人が思うほど無垢ではなく、大人はそれほど無垢さを失っていないというほうが正確だろう。本書では、大人が、こうした子どもの本質に対して盲目であるがために、子どもに翻弄されたり、ときには子どもに対する問題を引き起こしたりする姿がよく記述されている。(「訳者あとがき」より)
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