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このふたつの戯曲は、震災を扱っているから重要なのではない。震災を扱って、最終的にはそのこと自体が ポイントではないところに達しているから重要なのであり、だからこそ震災を扱った意味もあるのだと思う。――柴田元幸氏
言葉のもつ裏側の意味を探そうとしていたが、そんなものはいらなかった。ただ何度も何度も演じることで、自分の中から本物の感情が生まれてくる。その感情をそのまま体現する、とても自然で不思議な感覚だった。――黒島結菜さん
「私はいっさいの色彩を奪われたのです……。」
震災から6年。岩松了が被災地と向きあい、
新たな再生を謳い上げる、渾身の書き下ろし!
著者は被災地をテーマに作品を構想するため、昨年から数回にわたって福島を訪れた。東日本大震災から6年が経ち、被災地でも様々な変化があり、その受け止められ方が多様化する中で、社会に問いを投げかける渾身の書き下ろし二作品を収録!
『薄い桃色のかたまり』の舞台は、震災で終点(折り返し地点)になった駅。近隣の家にはイノシシが出入りし、たびたび人間を攻撃して困らせる事態になっていた。線路の復旧作業は、町の復興をめざす住民たちの手で進められていたが、ある日、迂回路があるのだから線路の復旧は不要だと行政からストップがかかり、住民たちは落胆する。そこへ、被災したショックで色彩を奪われたという恋人を探しに、東京からミドリがやってきて……。
『少女ミウ』では被災地の加害者側の視点に焦点が当てられる。主人公サエキミウの父親は「あの会社」の社員であり、賠償問題の責任者だったため、一家は見せしめのように避難指示区域に住まわされていた。やがて父親は失踪し、ミウを残して一家は心中してしまう。それから6年後、「災害からの復興」を少女の成長とともに辿るテレビ番組にミウは引っ張り出され、視聴者の涙を誘導するような番組制作側に対し、ミウは反発して口をつぐむが……。
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