400年続いた狩野派の最後を飾る狩野芳崖には、4人の高弟がいました。岡倉秋水、岡不崩、高屋肖哲、本多天城の4人です。彼らは芳崖の最後の弟子として、近代日本画の原点といわれる芳崖の絶筆《悲母観音》の制作を間近で目撃し、「芳崖四天王」と称され、一目置かれる存在でした。しかし、東京美術学校開校前に芳崖が没すると、彼らはなぜか表舞台から消え、忘れ去られた存在となってしまいました。その「芳崖四天王」にスポットを当てたのが本書です。彼らはじつは、近代日本画の本筋とは異なる「もうひとつの水脈」を形成し、狩野派のその後を伝えた重要な存在だったのです。その知られざる画業を紹介するとともに、芳崖とともに生きた橋本雅邦、木村立嶽、狩野友信の作品や、芳崖亡きあとを牽引した岡倉天心の日本美術院に属する横山大観、下村観山、菱田春草、西郷孤月、木村武山の作品を紹介します。時代に翻弄されて変容し消えゆく狩野派の残光と、近代化を克服してキラ星のごとく日本画の歴史に燦然と輝く大家たちの代表作(重要文化財3点含む)を、図版満載で堪能できる一冊です。
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