取り寄せ不可
「ダンテの『神曲』は天国のために書かれた本であることを、つまりわれわれはダンテとともに古典文学的教養をもって地獄、悟性と想像力とをもって煉獄を遍歴したうえ、ようやく光にみちる天国において理性的精神が神の至福に招かれるよろこびのための書であることを実感しなくてはならない。そして『神曲』とは、そのよろこびを分かち合うべく地上でなお苦しむ人や煉獄で苦しむ霊魂の救いのために心を尽くして祈るという、天国での至福における他者奉仕としての愛がもたらす、天上と地上の愛の交流の歌なのである。言わば地獄篇は文学、煉獄篇は哲学、そして天国篇は神学の演習の場であるといえよう。(著者「改訂普及版のために」)
少年時代に矢内原忠雄のダンテ講義の席に連なり、その後も哲学の仕事のかたわら、数十年にわたって『神曲』を読みつづけてきた著者による〈詩人哲学者〉ダンテ講義録。第25回マルコ・ポーロ賞を受賞した書に、著者による全面的な改訂を施した、決定普及版。
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