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詩歌壇の巨匠として五十八歳で永眠するまでの北原白秋の生涯は、まさに詩業一路の歩みであった。それは明治大正昭和にわたってたゆみなく進められ、しばしば画期的な作風を樹立したのである。絶えず新しい境地を求めて躍動する豊饒で健康な生命力こそ、彼の詩業の根本的な特色である。そして、この力は童心や郷土性や古典文芸など、素朴で永遠的なものが源泉とされている点で、決して枯渇することはない。多様と統一、流行と不易、そこに白秋の詩業の魅力がある。
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