カントが中世から学んだ「直観認識」

カントが中世から学んだ「直観認識」

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出版社
知泉書館
著者名
八木雄二
価格
3,520円(本体3,200円+税)
発行年月
2017年8月
判型
四六判
ISBN
9784862852618

13世紀のヨーロッパは古代哲学から学んだ成果をスコラ哲学に結実させたが,中世後期には新たな主題に直面して,スコトゥス(1265-1308年)は中世スコラの掉尾となる神学体系を形成した。
14世紀になるとスコラ学は一時的に後退するも,基盤的な哲学として復活し,18世紀に至るまで多大な影響力を発揮し続けた。しかし18世紀末からイギリスでスコトゥス批判が起こり,彼の著作や研究書が焚書の扱いを受けて19世紀の哲学界から排除された。わが国ではその時期に哲学が導入されたため,スコトゥスが知られることはなかった。
中世では古代以来の質料形相論をもとに理性と感性が分けられ,思考と感覚は別の位相と捉えられていた。それに対しスコトゥスはその両者の間に「直観」という独自の領域を見出した。それはカントをはじめ近代の哲学者が前提していたものである。
本書はスコトゥスの最大の主著『オルディナチオ』(神と世界の秩序についての論考)の最終第14巻の直観に関するテキストを懇切丁寧に註解し,中世哲学が近代哲学と深く関連している事実を解明する。
近現代哲学の研究者が中世哲学を軽視する傾向に警鐘を鳴らすと共に,哲学に関心をもつ読者や新たに参入した研究者に哲学する醍醐味を伝える試み。

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