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死刑執行から20年(1997年8月1日)。死刑制度めぐって一大論争を巻き起こした永山則夫の寺山修司との対立は今に何を伝えるのか…!
死刑囚の作家と、歌人にしてマルチタレントとして活躍し、ともに青森で育った寺山。中卒で集団就職した「金の卵」の永山から、「貧しさの問題と社会構造」を提起。「私自身の原因であるとの認識がないかぎり解決しない」という寺山。「犯罪はなぜ生まれるのか」をめぐり「社会」と「個人」で激しく対立した永山の1000枚を超える「反―寺山修司論」(1977年刊)の復刊。
「永山則夫と寺山修司、その邂逅の軌跡」――細見 和之
本書のタイトルから読者はどんな書物を想像するだろう。永山則夫と寺山修司、この二つの名前はおそらくいまも多くのひとびとのなかで、それぞれに記憶されているだろう。永山は十九歳で連続射殺事件を起こし、獄中で『無知の涙』を著し、死刑執行された人物として。一方寺山は、短歌にはじまって、詩、演劇、映画にわたって世界的に華々しく活躍していた人物として。二人は水と油のように思える。しかし、一九七〇年代、両者には交錯するところが確かにあったのだ。…
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