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中国初期国家の形成過程に関する従来の考古学的研究は、土器で設定した文化類型を、戦国時代以降の文献史料に示された夏や商(殷)王朝の活動範囲と結び付けて解釈することが多かった。
著者はこの研究史上の問題点をふまえ、遺跡ごと・地域ごとの土器系統の分析により明らかになる複雑化した相互交流の実態にこそ初期国家の形成過程を分析するための鍵があるとし、数量的手法を用いた土器様式の分析を行う。
土器の法量比較や土器表面に印された縄目数の計測は、日本考古学の手法を参考に実地の資料調査を積み重ねた著者ならではの着眼点で、日中の学会誌や国際学会においても高い評価を受けている。
本書における著者の研究により、中国の国家形成期における複雑な地域間交流と、中央による地方の支配体制が二里頭時代から二里岡時代へと次第に強化されていくプロセスが、具体的に明らかになる。
日本考古学の研究手法を随所に用いた本書は、単に中国考古学の研究書としてだけでなく、国家形成をめぐる日本考古学の方法論的な実践書として読んでいただけるだろう。(京都大学博士論文に新稿を加え大幅加筆刊行)
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