取り寄せ不可
白ネズミのエマラインがエミリの部屋の壁穴に越してきた。
ふたり(?)の密やかな〝文通″がはじまる。
「私は誰でもない!――あなたは誰?」とエミリ。
エマラインは、詩を書き、返事にした。
おどろいたことに、それはエミリに新たなインスピレーションをあたえる。誰にも会わず、どこへも出かけないこの詩人に……
エマラインの目を通して、19世紀アメリカの偉大な詩人の魅力あふれる世界が、私たちのまえに開かれる。エミリの詩12篇はすべて長田弘の新訳。エマラインの詩も7篇〝デビュー″。
「エミリ・ディンスンのように生きたとしか言えない、一個の生き方をつらぬいた人。そのようなあざやかな記憶をのこしている詩人です。
変わった人でした。ずぬけた人でした。おもしろい人でした。
小さなものたちに〝自分の共謀者仲間″をもとめたエミリ・ディキンスンの親しい秘密を、ディキンスン家に住む一ぴきの白ネズミの目を通して、切実なユーモアをにじませて書かれたのが、この本です。この本を澄ませているのは、小春日和のニューイングランドの澄んだ空気です」 ――長田弘「訳者あとがき」より
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