取り寄せ不可
伯爵家に迷いこんだのは、泥棒猫か、
それとも幸せの青い鳥か──
夫の事故死から半年後、ローワンの家に義弟ダリオが突然現れると、
ぶしつけに尋ねた。「兄との間にできた息子はどこにいる?」
いったいなんの話? ローワンには子供はいない。
夫はイタリアの伯爵家の長男だが、父親からは勘当されていた。
だがダリオと話しているうちに、子供が生まれたと嘘をつき、
伯爵家から多額の養育費をせしめていた夫の裏の顔が見えてきた。
ダリオから明らかな疑惑の目を向けられたローワンは狼狽した。
違う! 私は知らなかったのよ。有無を言わさず彼が冷たく告げた。
「僕と一緒にローマに来て、父の前で弁明してもらおうか」
本国で1983年に刊行された、知られざる未邦訳旧作をお届けします。亡夫の嘘がもとで、イタリアの名門伯爵家に連れていかれたヒロイン。彼女の存在が閉鎖的な一族に波紋を呼んで……。
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