取り寄せ不可
悲嘆に暮れる六人の娘に養父が遺したのは、天球儀に刻まれた各々の名前と、出生地らしい座標の数字だった。長女マイアの座標が示すのは、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロにある名家の屋敷〈蘭の館〉。「ここがわたしが生まれた家なの?」希望と不安を胸に屋敷を訪ねたマイアだったが、当主の老女に手ひどく拒絶される。だが、老女の召使いが密かにマイアに渡した手紙には、一族の秘密とひとりの女性の哀しい物語が記されていた……。
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