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本書は、サリヴァンが講じたケース・セミナーの記録である。患者本人の治療とリアルタイムに連係して続いたため、類をみない実践的な症例研究となっている。
治療は患者についてわずかなデータしかない段階から始まる。そこから、まずは患者との間に治療的な関係が構築され、徐々に靄が晴れるように患者の苦しみの全貌が判然としてくる経過はスリリングである。この過程を通じてサリヴァンの、徹底して実証主義的なアプローチが示される。
また、言葉の受け取り方がくるくると変わる患者と話す際の注意、患者が深刻な告白をした際にしておくべき対応など、状況に応じてさりげなくも考え抜かれたコミュニケーションの技術や、それらを治療の流れの中でいかに活かすかについてのヒントが、本書の随所に光っている。
再読、再々読によってますますサリヴァンの細部にわたる着眼の的確さが見えてくる、深みのあるセミナーである。読者の理解を促すべく、訳者がポイントを頭注で示し、詳細な訳注を付し、さらに本書のアクチュアルな意義についてあとがきで解説している。DSMという規格化された体系内では得られない臨床的英知がここにある。
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