東京裁判における通訳

東京裁判における通訳

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出版社
みすず書房
著者名
武田珂代子
価格
4,620円(本体4,200円+税)
発行年月
2017年7月
判型
B6
ISBN
9784622086345

新しい次元に進む精緻な東京裁判研究の嚆矢として贈る意欲作。法廷におけるリアルなコミュニケーション過程を明らかにする。
本書では、東京裁判の通訳について誤解を正す意味で、いったい誰がどのように通訳業務を遂行したかについて、さまざまな事実を掘り起こすことを第一の目的とした。日米両国で入手した資料やインタビューを基に通訳作業の全体像に光をあてるとともに、通訳体制の三層構造、通訳手順成立の過程、二世モニターの複雑な立場といった、東京裁判通訳における際立った特徴に焦点を当てた考察が行われている。
本書の第二の目的は、東京裁判通訳に関する事象を、通訳・翻訳学における理論や概念を基に分析・解説することである。通訳学とは、通訳の認知的プロセス、コミュニケーションの仲介者としての通訳者の役割、通訳史、通訳教授法など、通訳のさまざまな側面を研究する学問であり、ここ数十年ほどで急速に発展した。ここでは、今日の通訳学の新潮流である社会科学的アプローチを適用し、東京裁判の歴史的・政治的文脈のみならず、裁判関係者間の力関係、通訳作業に関わった人々の社会的・文化的背景に目を向けながら通訳事象の説明がなされている。通訳学と政治社会学、架橋の成果を問う力作である。
また、アクチュアルな問題としては、イラク戦争など、テロ対策のための継続的な情報活動や監視政策の中で通訳者や翻訳者が果たす役割、継承語使用者が直面する課題などがあるが、これらは通訳・翻訳研究者がこれまであまり注意を向けてこなかった領域であり、今後の研究が期待されている。そうした議論の進展のために一石を投じる役目を果たせるよう執筆された。

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