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一二世紀の中ごろ、ヴェネツィア生まれのマルコ=ポーロは、二五年にもわたる東方への空前絶後の大旅行の途にのぼった。
もちろんクビライの宮廷に向かったのである。
彼は単に旅行家、商人であったのみならず、ローマ教皇特使の任をも帯びていた。東西交渉の檜舞台で、彼は何を考え、何を観察し、いかに行動したのであろうか。
本書は、マルコの実像をもとめて“東方見聞録”を細かに読み返しつつ、その裏面より新しい視点で、マルコを生き生きと捉え直した力作である。
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