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米国国防総省VS北朝鮮工作員
北朝鮮工作員が命がけで守ろうとしたもの、それは――。
旧防衛庁出身作家の渾身作にして、第3回大藪春彦賞を受賞した大傑作エンターテインメント、手に汗にぎる上巻!!
きわめて精巧に作られた偽造紙幣”スーパーK”の運び屋と目される北朝鮮工作員が、秘密裏に日本に入国した。
来日前、ソウルで激しい銃撃戦を起こした工作員・チョンは、現場に文書を残していた。
米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属するアナリスト・葉山隆に与えられたのは、”チョン文書”の解読と、日本でチョンが潜伏する場所の手がかりを探ることだった。
上司・エディからの命令に、しぶしぶ調査を進めていた葉山は、チョンと深い縁があると思われる日本人女性とその息子の存在に行きあたる。
同じ頃、在日米軍横須賀基地にある海軍調査局(NISC)に勤める坂下冬樹のもとに、岩国駐留の米兵が偽ドル札をつかまされたという情報が入る。
ストリップ劇場や米兵の集まるクラブに現れた東洋人が両替を持ちかけたものらしい。
偽ドル札は、従来水準をはるかに超える優れた代物で、大量に出回れば深刻な問題に発展することが予想された。
同時期、北朝鮮では対外情報調査部に勤める夫を持つ女性・李光朱と、その娘・春花が、長期帰郷の名目で平壌(ピョンヤン)から北へ向かっていた。
二人は白頭山(ペクトウサン)を望む山あいの町・茂山(ムサン)にたどり着く。
十月十日の朝鮮労働党創立記念日、二人は中朝国境を越える準備をしていた。
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