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京都学派の経済哲学者として知られた梯明秀の本格的研究書。梯の戦時下における哲学の再評価と創造的復権をめざして、形而上学批判と根源的自然の復権というまったく新たな視点からその意義と射程を明らかにしようとする力作。マルクス、レーニン、ヘーゲル、マッハ、メルロ=ポンティ、さらには西田幾多郎、三木清らの哲学をひろく参照しながら梯の物質哲学の深層構造を探り、フクシマ原発事故を踏まえて、現代の資本主義と科学・技術工業文明の根底にある形而上学への批判を展開し、梯哲学の根底にある物質哲学とは何かを解明する。
目次
はしがき
序 章 問題設定と分析視座
はじめに
一 物質哲学構想の精神史的背景
二 哲学のレーニン的課題
三 アンチ・レーニンの系譜
四 現象学の臨界と根源的自然
五 学知への反省と歴史的理性批判
おわりに
第一章 物質哲学の深層構造と意義
一 主体的物質の概念規定
二 歴史的自然と歴史的統覚の論理構造
三 基本的自然の存在論的表現
おわりに
第二章 全自然史の思想と労働の疎外
はじめに
一 全自然史的過程の思想構造
二 資本発生の弁証法
三 賃労働者の実践的直観の立場
おわりに
第三章 労働過程の存在論と批判的技術学
はじめに
一 梯労働過程論の論理構造
二 技術論の論理構造と射程
おわりに
第四章 全自然史の同一性と物質の構想力
はじめに
一 唯物論の立場と感覚の客観性
二 自然と歴史の唯物論的把握
三 自然史的同一性と生産判断
おわりに
第五章 物質哲学の同一性と非同一性
はじめに
一 ヘーゲル哲学体系の論理構造と問題性
二 西田哲学のヘーゲル哲学批判
三 ヘーゲル哲学体系の破綻と止揚
四 マルクス「充実した無」の位相
おわりに
第六章 西田哲学批判と戦時下の抵抗
はじめに
一 西田哲学への内在と対決
二 絶対無の立場から絶対有の立場へ
三 実践的直観の立場から物質哲学の構想へ
おわりに
終 章 三木哲学批判と戦時下の抵抗
はじめに
一 三木清と梯明秀――邂逅の文脈
二 三木哲学の影響力とタルド論
三 梯の三木哲学からの離反
四 抵抗下の哲学と反抵抗下の哲学
おわりに
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