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死刑存廃論を脱構築!
ジャック・デリダは、死刑に関するセミネールを1999〓2000年度と2000〓01年度の二年度にわたって行なった。本書にはその第一年度が収録されている。
死刑について考えるにあたっての出発点となるのは、パラダイム的な大いなる例(ソクラテス、イエス、ハッラージュ、ジャンヌ・ダルク)をはじめ、聖書からベッカリーア、ロック、カント、ユゴー、ジュネらを経由し、カミュやバダンテールに至る正典的テクスト、そして第二次世界大戦後の法的テクストの数々。
死刑廃止運動の論理と修辞に関心を寄せた読解がなされ、とりわけ、アメリカ合衆国の歴史(1972年に死刑適用は違憲と判決した最高裁判所の決定から、1977年の執行再開などに至る歴史)には数多くの分析がついやされる。
「私は、単にして純な、最終的な死刑廃止に投票します。」──このヴィクトール・ユゴーの声を力強く響かせながら、残酷さ、血、例外、恩赦、主権、利害……極刑のはらむ概念について、憲法や条約、文学作品とともに明解に問い直されてゆく哲学のディスクール! 死刑存廃論の全体を脱構築してゆく、政治神学‐死刑論。
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