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「絵文字」にパラレリズムを探る
「口承的」と呼ばれてきた無文字社会において、「記憶」はいかに生み出され、継承されるのか。記憶、コミュニケーション、そして人間の思考そのものに、言葉とイメージはいかなる役割を果たしているのか。記憶が社会的に共有される「儀礼」という場に焦点を定め、西洋文化のかなたに息づく記憶技術の解明に捧げた本書は、特定の地域研究の枠を超えて、哲学、民族学、心理学、精神医学、言語学、美術史、物語論の成果を縦横に応用しながら、広く人間一般の記憶、認識、想像力をめぐる理論研究として、独創的かつ発展性のある新しい視座を提起する。
本書を貫くキー概念のひとつである「パラレリズム」とは、反復される定型表現と規則正しい一連のヴァリエーションから構成される形式をさす。この特殊な形式を付与されることにより、物語の連続は記憶を補助する力を獲得する。だがパラレリズムは、テクストの構造に加え、それに関連する「絵文字」というイメージの構造をも統御する。セヴェーリは、アマゾニアから北米大平原に至るまでアメリカ大陸を縦断しながら、先住民の絵文字に、様式的差異を超えて時間的にも地理的にも広大に普及しつつ持続する驚くべき特徴や内的一貫性を浮かび上がらせる。
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