朴

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出版社
ふらんす堂
著者名
中村重雄
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2017年6月
判型
B6
ISBN
9784781409740

◆第一句集

朴の花遠き山へと雲流れ



気宇壮大で志の高い句である。「朴」一字という潔さもこの句集の特色をよく表わしていよう。朴は花のみならず、若葉、青葉、さらに落葉等、季節を問わず俳人の格好の句材となっている。一集を総括する題としてまことに相応しい。

(序より・村上喜代子)



◆自選十二句より

今はまだ花でありたる落椿

格別のことなき一日麦の秋

白波のくだけるたびに千鳥吐く

一月の山泰然と世に立ちぬ

春暁や昨日入居の家に音

三伏や首をかしげて観るピカソ

耕すや火の山吐きし石の数

福耳の淋しき人や桐の花

思ひ切り嘘が書きたく日記買ふ

喪服には喪服の歩幅白木槿

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