キャッシュフリー経済

キャッシュフリー経済

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出版社
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
著者名
淵田康之
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2017年6月
判型
A5
ISBN
9784532134730

●脱現金化(キャッシュフリー経済)はメリットだらけ
現金流通が劇的に減る経済、それがキャッシュフリー経済。2020年のオリンピック開催にともなう観光客の利便性向上とFinTechの登場により、その実現が夢ではなくなってきています。
個人消費に対する現金決済比率を確認すると、日本は50%を占め、カード決済は16%程度、電子マネー決済は6%弱に過ぎません。米国では現金決済の比率が17%程度にすぎず、カード決済の比率が5割を超え、他の多くの国においても、カード決済の比率は日本より格段に高い。世界的に現金の使用が減少しているのは、以下のような様々なメリットがあるからです。
1硬貨や紙幣を製造し、輸送し、保管するコストが不要となる、偽札や盗難のリスクに対応するコストも削減できる
2生産性向上 米国人はATMから現金を引き出すのに毎月平均28分費やし、1セントを伴う支払いは2〓2.5秒余計にかかる、といった調査も
3ストレスが少なく、心地良い消費やサービス利用体験の提供につながる
4不正対策 脱税や麻薬取引、テロ資金などは現金を介して行われることが多く、地下経済縮小を通じ、財政改善にも寄与する

現金大国である日本こそ、キャッシュフリー化を強力に推進すべきであり、それにより大きな効果が享受できます。民間任せではなく、国家が正面から取り組むにふさわしい政策課題であり、他の様々な施策に比べても高い優先順位が置かれてしかるべきなのです。
諸外国がキャッシュフリー化に向けた取組を強力に進めるなか、日本の対応が不十分であれば、この遅れはさらに拡大します。逆に、日本はキャッシュフリー後進国であるが故に、他のどの国よりも大きなメリットを享受できます。このポテンシャルを生かさない手はありません。

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