取り寄せ不可
14歳の玲菜(れな)には戸籍がない。母親は〈あの人〉から逃げるために出生届を出さなかった。母と二人、町から町へひっそりと移り住み、ここ川越にも二年。一人で勉強している玲菜のために教科書を探してくれるリサイクルショップの主人、秋吉とその孫の牧生とも顔見知りになったある日、突然「あの人に見つかった」という電話を最後に、母は消息を絶つ。学校とも、社会ともつながりのない少女を一人残して…。
生まれたときから、ずっと逃げ続けている少女。
彼女の心が砕けてしまわないように、ぼく達は何をすればいいんだろう。
つながりの薄い現代社会で、必死に手をさしのべようとする人々。
青春ミステリーの妙手が放つ、心温まるストーリー。
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