親鸞の還相回向論

親鸞の還相回向論

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出版社
法蔵館
著者名
小谷信千代
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2017年6月
判型
A5
ISBN
9784831887634

曇鸞が示した「還相回向」という考えを、浄土真宗の祖・親鸞が、その著書『教行信証』の中でどのように展開させ、論じているかを考えることは、浄土真宗の教学を語るうえで欠かせないものとして、これまでも数多くの理解・学説が提示されてきた。

 それら数多くの学説の中でも、特に「回向表現説」と呼ばれる学説は、近代大谷派の教学研究において多大な功績をあげてきた曾我量深によって提示されたということもあり、宗門内においては、今なお最も影響力のある学説のひとつと言える。

 しかし筆者はその「回向表現説」を、親鸞の「回向」という語の用法について新たな解釈を施し、「還相回向」を現世において捉え直した「独自の説」である、と評価する。

以上のような立場から、本書では、真宗学・仏教学で出された研究成果を踏まえつつ、聖教や江戸期の講録等読み解き、曾我量深の「回向表現説」とその影響を受けた後学が論じてきた還相回向論の問題点を指摘し、親鸞自身がその思索の末に展開させた還相回向論の正しい理解を追究する。

 また還相回向論の考察に加え、大谷派近代教学の「回向」理解の前提には、親鸞が往生を現世において得られると説いたとする「現世往生説」があるという理解から、前著『真宗の往生論』で宗門内外に大きな波紋を投げかけた「親鸞の往生論」理解についても、新たな資料を補足しながら、改めて考察。

 通説に再考を迫った、画期的著作!

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