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仕事ができない自分が、悪いのか?
それとも、アイツが、ダメなのか?
―― 他人と「共に働く」ことの、喜びと違和。
―― 共同性を育む、他人への信頼と期待。
* * *
「生産性を上げろ」という過酷な要求、上からの理不尽な圧迫と合理化、職場内の不当な排除行為。
職場の共同性は、どんどん切りつめられ、現場は、ささくれだっていく。
私たちは、この状況を、どのように押し返していけばよいのだろうか?
本書は、飯場の一人ひとりの労働者が置かれた関係性に注目し、この問いに、真摯に迫っている。
飯場とは、多くの労働者にとって、一時的な滞在場所であり、滞在期間に長い短いはあっても、入る時には出ることが念頭にあるといってよい。
では、いったい、どういうルートで飯場に入るのだろうか。
どんな労働条件で仕事(主に建設労働)をしていくのだろうか。
どういった暮らしをおくることになるのか。
どのような人たちと出会い、そして……、飯場を出て行くのだろうか。
飯場で出会った一人ひとりの労働者たち――。すなわち、赤木さん、浅井さん、有村さん、磯村さん、井上さん、武(ウー)くん、上山さん、江口さん、遠藤さん、太田さん、大塚さん、小川さん、奥野さん、柿田さん、片桐さん、門脇さん、亀田さん、苅田くん、川野さん、川端さん、岸川さん、木戸さん、倉田さん、黒田さん、小池さん、孔(コウ)くん、小宮さん、斉藤さん、桜井くん、重岡さん、篠田さん、篠原さん、志村さん、江(ジャン)くん、白井さん、白木さん、杉浦さん、杉森さん、須藤さん、角谷さん、高田さん、高橋さん、田村さん、湯(タン)くん、坪井さん、鶴田さん、寺岡さん、富樫さん、中居さん、中野さん、中村さん、中山さん、野中さん、野村さん、羽田さん、濱田さん、原口さん、東野さん、平田さん、深川さん、藤田さん、正木さん、増田さん、松川さん、松本さん、水野さん、三田さん、森さん、保田さん、山野井さん、横溝さん……。
著者=「僕」は、かれらと共に働きながら、その一人ひとりの言動に視線をそそぐ。
かれらにある、一瞬の繊細な気配り、隠された冷やかさ、見返りを求めない手助け、耐えがたい混乱、息を飲む率直さ、抑えがたい苛立ち……。これら一人ひとりの言動が、共に働く現場において、固有の関係性を紡ぎあげている。この関係性を「理解」するために、「僕」は、体験を記録し、その意味に気づき、そして考察を、厚く、重ねていく。
この本は、まずは、飯場の暮らしと仕
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