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ソ連の脅威の後退、またそれにもかかわらず進められた研究開発投資を背景とする質的な軍拡により、アメリカは唯一、圧倒的な軍事力を保持する国となったが、予算制約がある一方で進化を続けている装備のマネジメントに苦慮している上、中東の紛争や政治的混乱、またテロの頻発などにおいて、せっかくの装備が有効に活用できているとは言えない状況にある。
本書は、こうした、現在米国が抱える軍備の問題の一端を冷戦末期の意思決定に見出した上で、さまざまな公開資料を丁寧に読み解きながら、その後、どのような議論がなされ、政策選択がなされていったのか、そのダイナミズムを明らかにしている。
本書の検討は、国際政治と科学技術の関係を捉える一事例ともなるだろう。
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