取り寄せ不可
「手切れ金は払う。だから父とは別れてくれ」
社長の御曹司ライルから蔑むような目で見られ、
そう一方的に告げられて、ケルサは思わず彼の頬を叩いていた。
私を社長の愛人だと決めつけるなんて、酷いわ!
だがじつはケルサ自身、なぜ入社早々に気に入られ、
社長秘書に抜擢されたのか不可解に思ってもいたのだ。
ほどなくして社長が亡くなり、遺産の半分をケルサに遺したことが
わかると、ライルの疑念はますます深まったようだった。
今度は私を金目当ての女だと罵倒するのかしら?
意外にも彼は切なげな表情で、驚くべき真相を口にした。
父親の愛人だと思っていた秘書に思いがけず惹かれ、さらにその女性に新たな疑惑も巻き起こり……。ヒーローの複雑な胸中を、実力派作家ジェシカ・スティールが丁寧に描きだします。
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