取り寄せ不可
「ついにお前が役に立つときがきた。夫を見つけてやったぞ」
養父の言葉に、イオーネは翡翠色の瞳を不安に揺らした。
暴力を振るわれ、道具として生きてきた身では抗うすべもない。
だが、結婚相手の名を聞いて、イオーネの顔は一気に青ざめる。
アレクシオ・クリストウラキス――ギリシアの大財閥の重役、
新聞の社交欄をいつも賑わせる、華やかな色男だ。
以前、彼のヨットが悪天候を避け、養父の島に寄ったときには、
彼女をメイドのように扱い、屈辱的な思いもさせられた。
あんな傲慢なプレイボーイと結婚するなんて……。
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