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『枕草子』の著名な一節として、「文は……、願文、表、博士の申し文」の一文がある。
ここにあらわされているように、古来日本の文は様々な文章の様式=文体を有していた。
本書では、平安朝漢詩文を代表する雑詩、讃、記、牒、祭文、呪願文、表白、願文、諷誦文及び碑の10種の文体について、実例の読解および当該作品の読まれた状況の再現により、その構成方法や機能などの文体的特徴を明らかにし、日本文学史・日本文化史における位置づけを提示する。
また、平安朝漢詩文における構成要素として最も基本的なものとなる語彙について、当時の時代的背景・文化的状況を複合的に考察することにより、当該語彙の意味、使用された意図などを明らかにする。
平安朝の言語・文学・政治・思想等、すべての研究に裨益する画期的成果。
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