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本書は「規則に従って課題を解いていく」方法ではなく、「(いわゆる)正解を弾いて覚える」方法を採用した鍵盤和声の入門書です。和声を「手の形」で覚え、手の形が「音の響き」や「動き」と連動するまで“音に耳を傾ける”練習を繰り返しながら、和声を身体に染みこませていくことを学習の第1段階としています。それは、この体験の蓄積がない限り、和声法の教科書と向き合っても、実際の演奏や鑑賞に生きる和声感が身につくことはないという考えに基づいています。カデンツ・ユニットによる課題から始まり、後半では実践的かつ専門的な領域にまで踏み込んでいきます。本来なら何年もかけて辿る和声学習の道程が1冊にまとめられているのは、行く先に待ち構える崖にひるむのではなく、崖を越えた先に広がる未知の景色に期待をふくらませつつ楽しく勉強を進めていってほしいという著書の願いからです。すぐに、そして長きにわたって使える新感覚の和声本です。
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