取り寄せ不可
これは“嫌韓本”ではありません。韓国を愛し、理解しようとつとめてきた筆者が見た、ありのままの韓国のルポルタージュです。
筆者は、朝日新聞の外信記者として、長年、韓国とかかわってきました。現在はソウル支局長として、日々の取材にあたっています。
その筆者にして、今の韓国は、「病理」とも呼べる状況に陥っているとしか見えないところに、本書のテーマの深刻さがあります。
利己主義――一言で言えばそうなるかもしれません。冒頭に紹介されるスターリンのエピソードは秀逸です。
「朝鮮人は三人集まれば、四つの政党をつくる」
朴槿恵大統領の弾劾・罷免・逮捕に見られた政治的、社会的なうねりは、まさにそうしたメンタリティーが表出したものです。
また、500年続いた朝鮮王朝時代にはぐくまれた「両班になりたい」という感情も、あらゆるところで顔を出します。「現代の科挙」とも呼ばれる度を越した受験戦争や、誰しもが一度は国会議員になりたいと考える社会風土など、ひとつひとつが社会を歪ませているのです。
風雲急を告げる北東アジア情勢において、韓国を理解するための絶好の1冊であると自負しています。
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