田中角栄最後のインタビュー

文春新書

田中角栄最後のインタビュー

取り寄せ不可

出版社
文藝春秋
著者名
佐藤修
価格
968円(本体880円+税)
発行年月
2017年5月
判型
新書
ISBN
9784166611249

抜群の記憶力、発想、決断力、そして人情……

未公開インタビュー記録をもとによみがえる天才宰相の知性と魅力!



没後23年を経てもなお日本人の心を惹きつけてやまない田中角栄。

その角栄はロッキード事件発覚後、マスコミをシャットアウトし、「闇将軍」として権勢を振るっていたが、ひそかに13時間半ものロングインタビューに応じ、みずからの思いを世に出そうとしていた。当時、海外通信社の記者を務めていた著者は、ロングインタビューに立ち会ったほか、約4年間、講演や会議における角栄の発言を記録してきた。

本書はそれらの記録をもとに、著者独自の目線で「天才・角栄」の政治理念を解き明かした作品である。

全編、角栄の名調子が冴え渡る。

「合理性だけを追求してきた日本の頭脳集団は、人間の本質を忘れている」

「総理大臣になってから『勉強します』は許されない」

「外交は“叩き上げ”同士で」

「道徳観のない政治家に人はついてこない」

「俺は自分の選挙区のことは5メートル単位で把握している」

「恋人の電話番号は手帳に書くな。手帳を見ながらダイヤルを回すのでは、恋の成就もおぼつかない」

……

しかも、現代日本の閉塞的な経済状況や、東アジアの安全保障危機をズバリ予言している指摘もあり、角栄の慧眼には驚くばかりだ。

人情の機微を知り尽くした滋味深い言葉も、読む人の心にしみわたる。

そして、脳梗塞に倒れる1年10カ月ほど前におこなわれた最後のインタビューでは、政治と人生に対する達観した思いを吐露しており、枯淡の境地を感じさせる。

どこから読んでも面白くためになり、すべての人に勇気を与えてくれる一冊である。

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