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文献学の手法を本格的に取り入れた柳田禅学。入家義高に俗語研究を学び、臨済義玄の説法には、唐末五代の河北という特定の俗語があることを発見。臨済禅草創期の歴史的背景を解明し、戦後の臨済録研究を一新させた。9世紀ごろの中国は中央集権国家体制も疲弊しつつあり、地方豪族などの新興勢力が台頭してくる時代であった。武宗の破仏令(会昌の破仏令)によって、廃仏毀釈が断行されるなか、臨済は河北を中心に新しい禅を立てていく。このような新しい禅が勃興してくるのも、著者は、新興の地方的な勢力による新文化創造の一環と捉えた。臨済が新しい仏法を起した歴史背景に注目したのである。また、徹底的な文献学の手法によって、臨済語録の原初的なものから臨済録へ、さらに諸本形成に至る書誌的研究成果を収載。また、臨済義玄以降の臨済宗興隆の軌跡を解明。
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