取り寄せ不可
ポリア教授は本書I・II巻を通じて、いわゆる“発見的”見地に立って問題を解くことを提唱し、読者が自ら問題を解き、そのさいにとられた手段や方法を考えることによって、問題解決の一般的方法へのアプローチを進める道を示してくれる。I巻の第三部に続く本書でも、典型的な解法、注意深く配列された多数の例題が収められているが、I巻が典型的な解答の共通なパターンを強調し、主として少数の問題の解法の来歴に力を注いでいるのに対して、問題を解くさいの心理学的、技術的な方法を分析するプログラムを含み、発見という現象の一般的手段と方法を広く分析することに重きをおいている。したがってII巻はI巻より哲学的であり、推理的であり、後半の〈頭の働き〉〈アイディアの到来〉〈頭の訓練法〉〈発見の法則〉などの各章は、広く一般の人々の発見的思考に役立つものといえる。
本書I・II巻は、問題解決の方法論的アプローチに貴重な手掛りを与えるものであって、数学教育者、数学に興味をもつ人々には必読の書であり、また特に、II巻は一般の人々にも発見的思考法についての示唆を与えるであろう。
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