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本書は、「刑法」第二編に規定されている個別の犯罪について、その成立要件をとり上げ解説することを目的とする。
読者はまずそれぞれの犯罪の特徴や保護法益を把握すると共に、解釈の基礎となっている学説と判例に十分の関心を持って欲しい。
「刑法」には、犯罪の成立要件を論ずる刑法総論があるが、個別の犯罪を扱う各論の分野は、総論に比べると社会のあり方やそれを支える価値体系の変化に敏感に反応しその影響を受ける面を持つものである。
読者がこの書物を通じてその社会や価値体系と関連づけながら個々の犯罪を学んでもらえるならば、教科書としての本書の役割は果たせたものと信じる。
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