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足利尊氏は、室町幕府政治体制の基礎を固め、武家政治の隆盛へと道筋をつけた人物である。その評価はこれまで時代の影響を色濃く受けて定まらず、「英雄」と「逆賊」のあいだを揺れ動いた。近年、南北朝時代を再評価するムーブメントのなかで、足利尊氏への関心は飛躍的に高まった。新出史料を含めた発給文書1500点を徹底解析しながら、これまでになく新しいトータルな尊氏像を描き出す。
【目 次】
序 章 新しい足利尊氏理解のために
第一章 鎌倉期の足利尊氏
第二章 足利尊氏と後醍醐天皇
第三章 室町幕府体制の成立
第四章 尊氏と直義――二頭政治と観応の擾乱
第五章 足利義詮への継承――室町幕府体制の展開
終 章 果たして尊氏は「逆賊」か
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