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関東軍参謀として「満州事変」を主導した石原莞爾は、最終戦争論を唱えたことで知られる。王道を掲げる東洋文明の東亜と覇道を掲げる西洋文明の代表であるアメリカを中心とする連合との戦いで、戦争は極限に達するというのだ。彼の思想の背景には、軍事研究と日蓮信仰が、相携わっていた。戦後は、戦争放棄を唱えた彼の思想の本質とは何か。
「再発見 日本の哲学」は、近代日本を建設する上で、その思想上の土台となった思想、哲学を、改めて問い直すシリーズです。
学術文庫収録も、いよいよ10冊目になりました。
石原莞爾は、満州事変の首謀者の一人として知られています。
また、『最終戦争論』を唱え、東洋と西洋が最終的に戦争をして世界を統一する、というような、今から見れば悪しき軍部の理論的支えと聞こえるような主張をしています。
ただし、石原は、何の思想もない軍国主義者ではありませんでした。
軍事研究と法華経研究が、二つのバックボーンとなって、彼の思想は展開していきます。
それが、最終的には、戦争放棄に行き着く。
それは、単なる変節なのでしょうか。
著者はそこに一貫する彼の哲学を見通します。
近代日本と密接に関係する彼の哲学を解明する本書は、テロの世紀、戦争の世紀を迎えている現在のわれわれにとって、必読と言えます。
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