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働くのは人だけではない
自然とともに窓も働く。
ものを照らす光、干す風、加工する熱、燻す煙、蒸す湯気──窓がつなぐ、自然要素と人のふるまい、物質のふるまい。
窓のまわりには、光や風なと?の自然のふるまい、そこに寄り添う人間のふるまいか?集中する。そうした仮説のもと世界各地の窓を調査し、気候風土と 文化慣習の均衡した窓のあり方を明らかにした『WindowScape』シリーズ。
第三弾の本書では、日本の手仕事の現場における、もの、人、自然、街を相互に連関させる「働く窓」について調査しました。
大量生産・大量消費型の産業社会が限界を見せ始めたなか、自立自存の暮らしを求める人々はますます増えています。このようなエコロシ?カルな社会の到来により、手仕事によるものづくりや、人と人のつながり方も改めて見直されている今、それを支え、人々とともに働く名脇役のような窓のあり方を考察しています。
たとえば、手仕事の工房では、光、風、熱、湿気など自然の要素と職人の技術を窓が結びつけ窓も資源の一つとなります。商店や住まいでは、窓を通じて街と人が関係をはぐくむ過程や、街に活気や賑わいを与えていることがうかがえます。窓があることで、様々な自然要素のふるまい、人のふるまいの潜在的にもっている可能性が開かれるのです。そして、様々な要素がうまく連関しあうことがまさに「仕事」なのです。
このように地域ごとに特色ある手法や独自の価値観をもつ現場における、人、もの、技術の関係性を日本各地の窓からみていく本書は、建築関係者はもちろん、伝統産業やものづくり、民藝や、各地方の暮らしに興味を持つ方にとってもお勧めの1冊です。
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