アジアの航空貨物輸送と空港

アジ研選書

アジアの航空貨物輸送と空港

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出版社
アジア経済研究所
著者名
池上寛
価格
3,740円(本体3,400円+税)
発行年月
2017年1月
判型
A5
ISBN
9784258290444

グローバル化が進展した今日、製造業企業は国際分業体制を構築するようになっている。国際分業は国をまたがる部材や原材料の輸送によって、達成することが可能である。とくに、アジアでは域内での国際分業が展開された結果、域内での国際物流が活発になっている。国際分業が発展するにつれ、ジャスト・イン・タイム(Just in Time: JIT)やサプライ・チェーン・マネジメント(Supply Chain Management: SCM)といった、より高度な物流体制を構築するようになってきた。航空輸送は輸送手段のなかで最も速く輸送が可能であるため、国際物流において近年その重要性は高まってきている。
国際物流をみると、重量ベースでは圧倒的に海上輸送で行われているのが現状である。しかし、貿易額でみた場合、かなりの割合を航空輸送が占める。たとえば、2015年の日本の貿易において、航空貨物が占める割合は重量ベースではわずか0.37%である。しかしながら、2015年の貿易額でみると、輸出総額75兆6319億円、輸入総額78兆4055億円のうち、航空貨物として輸送されたのは輸出額20兆9213億円(27.7%)、輸入額20兆4650億円(26.1%)であった。また、日本の貿易総額154兆374億円のうち、成田国際空港が輸出8兆9104億円(輸出総額の11.8%)、輸入12兆6119億円(輸入総額の16.1%)の合計21兆5223億円(貿易総額の14.0%)を占め、日本最大の「港」である(財務省貿易統計、東京税関統計)。これらからわかるように、国際貿易において、航空輸送やその基点である空港は非常に重要であり、航空貨物や空港について検討することは国際物流の現状を把握するためには必須であるといえる。また、世界における2001年から2015年までの海上貨物と航空貨物の輸送量の平均伸び率を比較すると、海上輸送は3.7%であるのに対し、航空輸送は3.6%であり、ほぼ同じような成長が続いている。アジア地域での国際分業が活発になっている現在、アジアにおける航空貨物輸送について検討することは、アジアにおける国際物流や国際分業を把握する意味でも重要であるといえよう。

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