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私のなかにようやく水の記憶がもどりはじめた 水はもえながら魂を浄化する水面を雲が形をかえながら流れてゆく
鏡は夕映えの空に淡い月かげを静かに映しだす
(「水鏡」)
古城の王冠のルビーの光、恋文の中の炎のゆらめき、幽明を流れる鉦の音なども、水鏡のようなゆらぎによって生まれ、消えゆく、触れられぬ幻を浮かび上がらせる。(・・・)そこに私は、藤井慶子さんの作品に通底している、人生への、美への、命への深い憧れを見る。 ―中本道代
透明な水鏡が映しだす、生と死のはざまのゆらめき。炎えつづける命と秘めた愛を見つめ、また見つめ返され、時をこえた対話が奏でられる。生きた証を凝縮した第2詩集。
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