19世紀後半、
朝鮮王朝末期の内憂外患の緊迫した時期に、
国王の実父大院君は
高宗の摂政として権力を振るった。
本書は、若き日の興宣君があえて官職を辞し、
市中の無頼となり、蔑まれ、貧困に甘んじた時代を
経てようやく「春」をつかみ──大院君に
のしあがるまでの人間的葛藤と、
当代の腐敗した朝鮮社会の鋭い矛盾を
映し出した歴史小説である。
本書の舞台は副題の通り、
まさしく雲?洞にあった大院君の邸、
雲?宮である。
雲?洞は、現在、日本人観光客で賑わう
鍾路区仁寺洞からも至近距離にあり、
昌徳宮やその正門である敦化門からも近い。
かつてそこで展開された人間模様と、
大規模な民乱や一揆が多発するなかでの
外圧を含めた、時代の曲がり角における
興宣君の姿を描く。イラスト多数!
もともと「大院君」とは直系でない国王の実父に
与えられる称号だが、
現在では単に「大院君」と言えば
朝鮮王朝末期に権勢をふるった
興宣大院君を
指すようになった…
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