取り寄せ不可
第一次世界大戦の《リアル》を徹底的に描き出して、「コミックのアカデミー賞」と呼ばれるアイズナー賞を受賞したフランスの巨匠タルディの代表作、ついに日本初上陸。この戦場の《リアル》を直視するところから、いま、私たちの現代史は幕を開ける。
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作中の兵士のひとりはこう自問自答する。「なぜこんな酷いことになったのか?……惨憺たる結果にして恥辱、文明の退行ではないか」。
「平和」を目的として勃発したこの戦争は世界中に破壊と殺戮を蔓延させ、 1000万人もの戦死者を出した。「なぜ」このような戦争が足かけ 5年も続いたのか──フランスを代表する漫画家タルディは、本作をもってこの「なぜ」に挑む。前線に掘られた暗く泥まみれの塹壕でたたかう兵士のひとりひとりを主人公に据えたタルディの視線は、きわめて低い。その低さゆえに、この漫画に描かれるのが、まさに自分自身であり、身近な誰かであることを予感させるのである。
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