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歴史を紐解きながら万博の本質と課題に迫る
19世紀半ばにロンドンで生まれ、近代化を競う欧米列強が推進した「万国博覧会」は、世界最大の国際イベント・最強のコミュニケーションメディアとして国際社会に君臨してきました。万博は日本がもっとも注力してきたイベントでもあり、1970年の大阪万博は戦後日本の一大エポックとしていまも日本人の記憶に深く刻まれています。
しかし社会環境の変化と制度疲労が重なる状況下にあって、これまでなんとか持ちこたえてきた万博も、いまはかつての輝きを失い、歴史的な岐路に立っています。このまま老衰を迎えてしまうのか、あるいは再生を果たすのか。その命運はまもなく決するでしょう。
万博という史上初の国際イベントがなぜ、どのようにして生まれ、どんな役割を担ったのか。その後どのように発展し、どのような問題に直面し、どのように乗り越えてきたのか。そしていま、いかなる事態に直面しているのか。こうした問題について通史的に読み解きながら、現状の問題と課題をさぐり、今後の展望と可能性を考えます。それはそのまま「大阪万博がなぜあれほどの強度を持ち得たのか」に対する回答にもなっています。
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