善く生きることの地平

善く生きることの地平

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出版社
知泉書館
著者名
土橋茂樹
価格
7,700円(本体7,000円+税)
発行年月
2016年9月
判型
A5
ISBN
9784862852403

本書の目的は,形而上学的な観想の生ではなく,日々の暮らしに汗する生の現場で哲学の意味を探求することである。18本の論文を一書にまとめ,善に関わる問題群に光を当てた十数年にわたる研究成果である。
「第1部 信念系の転換と知の行方」では,プラトン対話篇の読解を通して,客観的専門知の彼方にある知識を検討し,さらに領域的専門知ではない〈知を愛し徳を行う〉新たな知への転換が考察される。
「第2部 魂と《生のアスペクト》」ではアリストテレス『魂について』の諸相を,魂とは生きることの原理であるという視点から考察する。まず「存在するものとの出遭い」について表象と感覚をめぐって明らかにする。自体的感覚対象と付帯的感覚対象,固有感覚対象と共通感覚対象,そして形相とロゴスの関係,表象と身体運動,言語と認知能力など感覚から知への展開とともに,言語を媒介にして善く生きる意味が探求される。
「第3部 善き生の地平としてのフィリアー」では「善く生きる」とは徳の形成であり,その完成態としてフィリアー(友愛)を捉えたアリストテレス倫理学を通して,自己愛と友愛,「自分のため」と「相手のため」を繋ぐ共同体の形成原理を解明,現代倫理学への可能性を示唆。

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