英語の帝国

講談社選書メチエ

英語の帝国

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出版社
講談社
著者名
平田雅博
価格
1,870円(本体1,700円+税)
発行年月
2016年9月
判型
B6
ISBN
9784062586368

英語はいつから、これほど世界を覆う言語になったのか。イングランドに出現した言語が、ウェールズ、スコットランド、アイルランドに広がり、ついで、インドやアフリカ、オーストラリア、アメリカをも含む植民地へと達し、さらにグローバルな地域へと拡大した「英語の帝国」。これらの地域は、どのように「英語」と出会い、反発し、受け入れたのだろうか。そして、日本の英語教育の始まりと、森有礼の「日本語廃止論」の真相とは。


日本語もまだ覚束ない幼児を英語塾に通わせる親。「グローバル社会」に対応するためと称し、早期英語教育を煽る文科省。こうした「英語熱」はどのような歴史を経てもたらされたのか。英語はいつからこのように世界を覆う言語になったのか。
本書でいう「英語の帝国」とは、5世紀頃にイングランドに出現した言語が、ブリテン諸島すなわちウェールズ、スコットランド、アイルランドに広がり、ついで近代には、インドやアフリカ、オーストラリア、アメリカをも含む「ブリテン帝国」へと達し、さらにはそれ以外の文字どおりグローバルな地域に拡大した英語圏を指す。これらの広大な地域は、どのように「英語」と出会い、反発し、受け入れてきたのだろうか。
立身のために子どもへの英語教育を熱望したウェールズの親たち、アイルランド人のナショナリズムと英語への抵抗、アフリカでのキリスト教と一体化した「英語帝国主義」など、各地、各時代の英語をめぐる様相を明らかにしていく。そして、日本における英語教育の始まりと、森有礼の「日本語廃止論」の真相とは。
現代日本における一見、滑稽でさえある「英語熱」に浮かされた光景は、長い「英語の帝国」の歴史のあちこちに見られた。「英語の帝国」の構築を推進し、そこから利益を得た人びとは、ふつうの親たちを巧妙にこれになびかせるシステムを作っていたのである。こうした過去を見据え、「自己植民地化」を免れて未来を展望するために必読の書。

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