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真宗学を近代化して、親鸞の教えを現代の我々に身近かにした曽我量深師。その曽我師に直接学び、師の思想を一筋に追い求め続け、「救済と自証」、「如来と我」との関係を明らかにするという曽我師の生涯のテーマに分け入り、読み解いた学徒の重厚なる遺稿。
《まえがき》より抜粋
曽我が「救済と自証」という問題について思考をめぐらしているこの時期の文章は難解ではあるが、その構成的な文章にはベートーベンを思わせるような力強さがある。また、曽我の思索を追究する氏の思索もまた、自分に繰り返し言い聞かせて納得するまでやめな いという粘り強さに貫かれていて、その強靭さには曽我の思索を思わせるものがあるといいうる。そのことによって本書は独特の深みをもち、『観無量寿経』を語った数多くの書のなかでも一頭地を抜いたものとなっている。是非一読されることを希望する。
平成二十八年六月 長谷 正當(京都大学名誉教授)
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